値域・領域シリーズ part 2

値域・領域シリーズpart2 値域・領域シリーズ

今回は,パラメータが2個に増えた場合の問題に,順像法で取り組みましょう.

part 2 のポイント
  • パラメータが2個の場合は,片方を固定して,パラメータ1個の関数とみなす.
  • 固定とは,ある変数をいったん定数とみなすことで変数の数を減らす考え方
例題

\(x,y\,\)がそれぞれ実数全体を動くとき,\(z=e^{-x^2}\,\sin y\,\)の値域を求めよ.

解答はこちら

\(x\,\)をある実数に固定して,\(y\,\)を実数全体で動かすときの\(\,z\,\)の値域を調べると,

\(e^{-x^2}>0\,\)より,

$$-e^{-x^2} \leq z \leq e^{-x^2} \,\,\,\cdots ①$$

ここで\(\,f(x)=e^{-x^2}\,\)とおくと,\(f'(x)=-2xe^{-x^2}\,\)より,

\(f'(x)=0\,\)となるのは,\(x=0\,\).増減表は,

$$x$$$$\cdots$$$$0$$$$\cdots$$
$$f'(x)$$$$+$$$$0$$$$-$$
$$f(x)$$$$\nearrow$$$$1$$$$\searrow$$

また極限は,

$$\lim_{x\to-\infty}f(x)=0,\,\lim_{x\to\infty}f(x)=0$$

よって,①を満たす\(\,z\,\)の範囲は,

\(z\,\)の値域は,\(-1\leq z\leq 1\)

今回の例題では,パラメータは\(\,x,y\,\)の2個,求めたい変数は\(\,z\,\)です.

イメージとしては,\(x,y\,\)という2個のパラメータを,\(f(x,y)=e^{-x^2}\,\sin y\,\)という関数を用いて,\(z\,\)という求めたい変数に写していると考えられます.

しかし,高校数学の範囲では,二変数関数を扱わないので,値域を求めるにはひと工夫する必要があります.

ここで用いるのが,固定という考え方です.

固定というのは,ある変数をいったん定数とみなすことで変数の数を減らす考え方です.

例に今回の問題では,まず\(\,x\,\)をある実数に固定して\(\,y\,\)を実数全体で動かすことで,\(z\,\)を\(\,y\,\)のみの関数としてみなすことができるのです.こうして,\(-e^{-x^2}\leq z\leq e^{-x^2}\,\)という値域が最初に求まります.

その後,\(z=e^{-x^2}\,\)という関数を実数全体で調べることで,問題の\(\,z\,\)の値域が求められます.

part 3では,パラメータが2個で,さらに制限がかかっている場合を考えましょう.

  • このpart 2の考え方は,巷では「1文字固定法」や「予選決勝法」などと呼ばれています.
  • \(e^{-x^2}\,\)の関数は,正規分布の確率密度関数に出てくるやつですね.

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