値域・領域に関わる問題は,大学入試では頻出であり,合否を分ける問題になることが多いように感じます.
そこで,値域・領域シリーズと題して,これらの問題に対しての考え方をまとめます.
part 1 のポイント
- 値域・領域の問題は,パラメータと求めたい変数の区別をつける
- 1個のパラメータに対しては,微分と増減表を用いて,値域を求めるのが基本.
- 「順像法」とは,パラメータを求めたい変数に写す関数に着目して解析的に値域を求める手法.
基本的な考え方を身につけるために,以下の例題を考えてみましょう.
例題
$$x\,が実数全体を動くとき,y=xe^{-x^2}\,の値域を求めよ.$$
解答はこちら
$$\begin{equation}y’=e^{-x^2}+x\cdot(-2x\,e^{-x^2})=(1-2x^2)e^{-x^2}\end{equation}$$
よって,\(y’=0\)となるのは,\(x=\pm\frac{1}{\sqrt{2}}\)
増減表は,
| $$x$$ | $$\cdots$$ | $$-\frac{1}{\sqrt{2}}$$ | $$\cdots$$ | $$\frac{1}{\sqrt{2}}$$ | $$\cdots$$ |
| $$y’$$ | $$-$$ | $$0$$ | $$+$$ | $$0$$ | $$-$$ |
| $$y$$ | $$\searrow$$ | $$-\frac{1}{\sqrt{2e}}$$ | $$\nearrow$$ | $$\frac{1}{\sqrt{2e}}$$ | $$\searrow$$ |
また極限は,
$$\begin{equation}\lim_{x\to-\infty}y=0,\,\lim_{x\to\infty}y=0\end{equation}$$
以上から,\(-\frac{1}{\sqrt{2e}}\leq y\leq \frac{1}{\sqrt{2e}}\,\)
一般的な値域の問題で,ほとんどの受験生が微分して増減表を書く解法を難なく思いつくでしょう.
今回の例題では,\(x\)というパラメータを,\(f(x)=x\,e^{-x^2}\)という関数を用いて,\(y\)という求めたい変数に写している,と考えましょう.

パラメータが1個で関数が明かなときには微分して増減表を書くのが基本です.
問題が複雑になると,パラメータの数が増えたり,求めたい変数が増えたり,関数が明かな形ではなくなったりします.そのため,パラメータと求めたい変数がそれぞれ何かということを整理することは大切です.
そして今回は,\(x\)の変域が実数全体です.もちろん実数は有限個ではないので,1個1個\(\,x\,\)に実数を代入して\(\,y\,\)の取る値を調べることはできません.
そこで,\(f(x)\,\)を微分し,増減を調べることによって,\(y\,\)の値域を求めるのですね.
このように,パラメータを求めたい変数に写す関数に着目して,微分などの道具を使って,解析的に値域を求める手法を,「順像法」と言います.
次のパートでは,パラメータが2個になったときにはどう対応するのかについて解説します.


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